知っておきたい地方でフリーランスのデメリット
都市部ではフリーランスがどんどん増加し、当たり前に活躍できる環境が整ってきていることから、地方にも同じ環境があると考えられがちです。しかし、都市部での感覚を持ったまま地方暮らしをはじめてしまうと、あまりの環境の変化に悩まされてしまう可能性があります。都市部と地方では生活環境がまったく異なるので、地方でフリーランスとして活動する前に、地方のデメリットについて考えておきましょう。
移動が不便になる
地方である程度の利便性を維持しながら暮らすためには、移動手段の確保が欠かせません。車を所有する場合、たとえ維持費が安い軽自動車でも年間でみるとそれなりの金額がかかってしまいます。駐車場代などは都市部に比べると安いものの、カーシェアやレンタカーが普及していないことから自己所有ありきの話になってしまいます。駅やバス停までが遠かったり本数が少なかったりすると、公共交通機関もあまりアテにできません。打ち合わせのために新幹線や飛行機などを利用すれば、移動だけでもかなりの時間と費用がかかってしまいます。
企業常駐の案件がない
都市部では当たり前にある企業常駐の案件が、地方になるとほとんどなくなってしまいます。常駐案件とは、企業と契約したフリーランスが会社員と同様に出勤して働くタイプの案件です。仕事内容としては会社員とほぼ同じですが、企業の就業規則には一切縛られない立ち位置で働くことができます。常駐案件は全体的に報酬が高く、フリーランスが安定報酬を獲得するための手段として人気がありますが、それが可能なのはほぼ都市部のみです。
理解が追いついていない
フリーランス案件があふれている都市部なら、フリーランスは特に珍しい存在でもありません。しかし、地方ではフリーランスという言葉そのものへの認知度が低く、フリーランスをまともな仕事だとは思っていない人もまだまだ多いものです。「正社員になってこそ一人前」という価値観が浸透しきっているような地方の地域では、フリーランスというだけで低く評価されてしまうかもしれません。そのため、コワーキングスペースやシェアオフィスなどもなく、ノマドワークが可能なフリースペースの確保に苦労してしまいます。実際にはかなりのスキルを持っているフリーランスでも、フリーランスという社会的立場ゆえに仕事に困ってしまう可能性があるのです。
正社員へ戻りづらい
フリーランスとしての活動が難しくなれば、他の仕事を探すしかありません。しかし、フリーランスの経験を生かして正社員へ戻りたくても、フリーランスに対する理解が追いついていない地方では警戒されてしまいます。フリーランスとしてやり遂げる決意でいるとしても、もしものときにどのような方向性があるかについては、地方へ行く前にしっかりと考えておく必要があるでしょう。